アメリカの中古住宅流通との違いを知って、購入時に活かそう
前回の話まで日本の不動産の特性を見てきました。
世界には、「中古住宅+リノベーション」を賢く買うしくみをつくっている国があります。
残念ながら日本の中古住宅の流通より、かなり進んだしくみを持っています。
これから家を買う皆さんには、そのメリットを知って、自分の購入時に活かしてほしいと思います。
下記の図をご覧ください。
国別の新築住宅と中古住宅の流通の比較です。
日本では最近までずっと、政府が新築中心の住宅政策を取ってきたので、中古は2割にも満たない比率です。
おそらく皆さんも同じように感じているでしょう。
しかし、アメリカはじめヨーロッパも、流通の中心は中古住宅なのです。
驚きませんか?
私も初めて知った時はびっくりしました。
そこで、実際にアメリカに何度も行き、中古住宅の流通とリノベーションの実態について勉強してきました。
中古住宅流通のしくみ、マーケット、情報開示の仕方、不動産業者の役割や罰則など、実務の人に会い、現場を見せてもらって学びました。
学ぶにつれ、「このしくみを必ず日本でも提供できるようにしたい!」という想いが募りました。
アメリカでは、人生のうちにライフスタイルに合わせて5回から6回、家を買い換えます。
そして買い替える度に資産を増やしていくのです。
日本では1回、2回という人がほとんどですよね。
しかも、その1回を失敗すると人生も失敗するなんて悲しい現実もあります。
しかし悲観することはありません。
日本でも国土交通省がアメリカに学びに行きはじめ、いいしくみを取り入れて改善していく流れになってきています。
今後広まっていく、「インスペクション」(住宅診断)の義務化や「安心R住宅」(中古住宅流通の整備・促進)のしくみなどは賢い中古住宅購入のプラス要因になるでしょう。
皆さんにおすすめしたいのは、これから人口が減少していく日本の現実の中で、家を消費財としてだけ見るのではなく、資産として見ていく考え方を持つことです。
プロと同じ感覚を持つということなので、簡単ではないかもしれません。
でも、ご安心ください。
本書を読んで、順番に実践していけば、成功する住宅購入ができるようになります。