不動産会社は借りられる額からすすめてくる。安い中古は売りたくないのが本音
では、自分に合った予算とはいくらでしょう?
もちろん人によって違いますが、一言で言うと、「理想のライスタイルを崩さず、無理のない返済に抑えることができる予算」ということになります。
そしてそれは、住宅購入にかかるすべての予算をわかった上での話になります。
ここが失敗しやすいところなのです。
例えば、毎月の返済を8万円に抑えたいとします。
よくある失敗は、8万円をまるまる物件金額に充ててしまうことです。
不動産会社:「8万円の返済ですと、約2830万円借りかれますので、この物件などはいかがでしょうか?」(と言って、2800万円ぐらいの物件をすすめてくる)
不動産会社:「お客様のご年収(450万円)でしたら、3300万円ぐらいは借りられますので、もっといい物件が買えますよ」(と言って、予算オーバーの魅力的な物件をすすめてくる)
このような感じです。
何を隠そう私自身が駆け出しの不動産営業マン時代にそうすすめていたからよくわかります。
これは不動産流通のしくみの問題でもあります。
不動産会社は、手数料商売で、成功報酬です。
そして、その額は物件価格が高いほうが多くなります。
なぜ安い中古物件を売りたくないのか、比較してみましょう。
中古物件A:1300万円。 築30年。 リフォーム前の現状渡し。 仲介手数料45万円
中古物件B:3000万円。 築5年。 瑕疵保険付きで現状渡し。 仲介手数料96万円
仕事量はほぼ同じで、手数料は倍以上違います。
そして、物件Aは古いため、建物のリフォームで後から予算が狂うと不動産会社は責められます。
新しい物件のほうが、クレームが起きにくいのです。
ですからできるだけ、高額で新しい物件をすすめたいということになります。
もちろんそれが絶対に悪い物件ということではありません。
自分の予算に合っていればOKなのです。
避けなければいけないことは、自分の本当の予算を知ることなく、不動産会社のすすめる予算に乗せられてしまうということです。
借りられる額と適正な返済の額は違うということ、総予算の中に先にリフォームの予算、諸経費、引っ越し費用、カーテンやエアコンなどの後からかかる費用、不動産取得税などを含めて考えることが大事だということを覚えておきましょう