Q25:ネット銀行の金利が安すぎて心配です。大丈夫でしょうか?
A:不動産や金融の知識がない方には心配です。
ネット銀行の金利が異常に安いのは「人件費」を省いているからというのは皆さんにも想像がつくと思います。 これが安さと危険と の諸刃の剣になります。
不動産業者に支払う仲介手数料は、金融機関と司法書士、売主または売主側業者との手続きの流れの管理や決済までの段取りの仕事が入っています。これには不動産や金融の専門知識が必要です。だからこそ手数料を払ってプロにその段取りを任せるのです。 実際に不動産会社の担当者は金融機関と連絡を取り合って不備がないように一つひとつ進めていきます。失敗すると命取りになるからです。一方、ネット銀行の多くは、金融機関と不動産担当者との連絡は 取れません。あくまでローンを借り入れる本人と金融機関の直接のやり取りになります。ということは不動産担当者がプロの知識で進めていた段取りを素人である自分ですることになります。
しかも、ネット上のみのやり取りで、見たことのない相手(しか も担当者さえわからない場合も多い) と進めていくことになります。仲介手数料は同じなのに、もし決済が遅れたり、ローンが下りなか ったりすると損害賠償になることもあり得ます。ですのでプロとしておすすめはできません。
ただ知識のある方には、金利も安いですしメリットはあります。また、知識のない方でも調べることが好きで、なおかつ新築で売主が業者の場合や、万が一支払いが少し遅れてもトラブルになりそうにない場合はチャレンジしてみてもいいかと思います。 最近ではネット銀行でも提携ローンが増えていたり、メガバンクでもネット型の商品が登場したりして、日々進化しています。
しかし、もうひとつ注意があります。通常、「ローンの事前審査」を契約前にしますが、ネット銀行 (メガバンクを含む)でのインタ ーネット上での借入金額のシミュレーションは「正式な事前審査」とは認められないケースが多く、自分では「事前審査OK」と思い込んでいたけれど、いざ買付申込をする際に失敗するケースがあるので十分ご注意ください。
【向いている人】
金利をとにかく安くしたい人、売主が業者で決済日に融通が利く人、自分で情報を得て決済まで準備できる知識を持っている人、パソコンのアップロードなどの作業が得意で自分で完結できる人など。
【向かない人】
中古住宅を仲介で購入する人、リノベーション費用を住宅ローンに組み込みたい人、諸経費をローンに組み込みたい人、頭金のない人、審査に不安のある人、住宅ローンや金融の知識がない人、パソ コンのアップロードなどの作業が苦手な人など。